🎯 結論(先に要点)
九九が覚えられないのは、能力の問題ではなく「暗記のやり方が子どもに合っていない」ことがほとんどです。九九は2・5の段から順に固め、壁になる6・7・8の段は「覚えにくい所だけ」を狙い撃ちすれば、必ず登り切れます。大切なのは、毎日5分の反復を叱らずに続けられる仕組みをつくること。この記事では、つまずく原因・段ごとの攻略順・遊びで反復するコツ・どうしても進まないときの選択肢まで、小2の子を見てきた父親目線で順に整理します。
「もう2学期も終わるのに、まだ7の段が言えない」「昨日覚えたはずの九九を今日忘れている」。
九九は小学2年生の算数最大の山場で、ここで初めて「うちの子、勉強が苦手かも」と不安になる家庭は本当に多いです。
クラスのみんなは九九カードが終わっているのに、うちの子だけ6の段で止まっています。毎晩練習させるたびに私がイライラして、最後は親子ゲンカです…。
わが家も6・7の段で完全に足踏みしました。でも、九九のつまずきは「覚え方の順番」と「反復の仕組み」を変えるだけで一気に動きます。子どもの頭の問題ではないので、まず親が安心してください。
九九が覚えられない子の大半は、「全部を均等に、音の丸暗記だけで」覚えようとして失敗しています。
実は九九81個のうち、本当に覚えにくいのは20個前後しかありません。
そこだけ狙い撃ちにすれば、暗記の負担は4分の1になります。
九九が覚えられないのは珍しくない|小2の大きな壁
最初にお伝えしたいのは、九九でつまずく子は「たくさんいる」という事実です。
九九は小学校で初めての「大量暗記」課題で、それまでのたし算・ひき算とは頭の使い方がまったく違います。
学校の進度は2学期の数ヶ月で全段を駆け抜けるため、暗記に時間がかかるタイプの子は置いていかれやすい構造です。
つまり「九九が遅い=算数の才能がない」ではありません。
暗記のペースは子どもによって差が大きく、遅れて覚えた子もその後の算数で普通に追いつきます。
焦って詰め込むより、この記事で紹介する「順番」と「仕組み」を整えるほうが、結果的に早く終わります。
九九でつまずく5つの原因
やみくもに唱えさせる前に、まずどこで引っかかっているのかを見極めましょう。
| 原因 | よくあるサイン | 対策の方向 |
|---|---|---|
| ① 音の丸暗記だけ | 「しちしち…」で止まり、意味を聞いても答えられない | かけ算の意味(同じ数のまとまり)に一度戻る |
| ② 量が多すぎる | 全段を一気に練習して毎回途中で嫌になる | 1日1つの段・5分だけに区切る |
| ③ 言いにくい音 | 「しちは」「はっしち」など7・8の段で舌が回らない | 言いにくい所だけゆっくり・回数を増やす |
| ④ 順番でしか言えない | 上から唱えれば言えるがバラバラだと出ない | カードやランダム問題で取り出す練習を足す |
| ⑤ 自信を失っている | 「どうせ覚えられない」と練習自体を拒否 | できている段を見える化してから再開 |
特に多いのが①と⑤の組み合わせです。
意味がわからない音の羅列を毎晩やらされ、間違えるたびに注意されれば、大人でも嫌になります。
覚える順番を変えるだけで楽になる|段の難易度マップ
九九には、はっきりした難易度の差があります。
学校は1の段から順に進みますが、家庭での復習は「易しい段で自信をつけてから壁に挑む」順番に組み替えるのがおすすめです。
| 難易度 | 段 | 理由 |
|---|---|---|
| やさしい | 1・2・5の段 | リズムが単純で日常でもなじみがある(時計の5とび など) |
| ふつう | 3・4・9の段 | 音は複雑になるが規則が見つけやすい(9の段は答えの十の位が1ずつ増える) |
| 壁 | 6・7・8の段 | 音が言いにくく、日常で使う場面が少ない。九九嫌いの大半がここ |
6・7・8の段が言えないのは「みんなそう」です。ここを基準に「うちの子は遅い」と判断しないでください。
そして6・7・8の段の中でも、実際に覚えにくいのは「6×7」「7×8」「8×6」など十数個に絞られます。
間違えた九九だけを付せんやカードに書き出して「うちの子専用の苦手リスト」を作りましょう。全部で20個前後に収まるはずです。81個の練習が20個になるだけで、子どもの気持ちは大きく軽くなります。
やってはいけないNG対応
親が良かれと思ってやりがちな対応の中に、九九嫌いを加速させるものがあります。
⚠️ 九九練習のNG3つ
- 間違えるたびに叱る・ため息をつく——九九と「嫌な気持ち」が結びつき、練習自体を避けるようになります
- 「なんで覚えられないの」と比較する——きょうだいや友だちとの比較は自信を削るだけで、記憶には何のプラスもありません
- 1回の練習を長くする——30分の特訓より5分×毎日のほうが記憶は定着します。長時間練習は親子ともに消耗します
暗記は感情と強く結びつきます。
「楽しい・できた」という気持ちで終われた練習ほど、記憶に残りやすいのです。
覚え方の基本ステップ|唱える→隠す→バラバラ
家庭での練習は、次の3ステップで1段ずつ進めます。
🪜 1つの段を仕上げる3ステップ
- 唱える——九九表を見ながら、リズムよく音読する(1日5分・同じ段だけ)
- 隠す——答えを隠して上から順に言う。詰まったらすぐ答えを見てOK
- バラバラ——カードや口頭で順番を崩して出題。「7×6は?」に即答できたら合格
多くの家庭はステップ1で止まっています。
順番通りに唱えられることと、テストで使えることの間には「バラバラでも出てくる」という段階がもう1つあります。
学校の九九カード検定で不合格が続く子は、たいていステップ3の練習が足りていないだけです。
逆に言えば、ステップ3まで仕組みに組み込めば、検定は自然に通ります。
遊びに変える|机に向かわせない反復のコツ
九九の反復は、机の上でやる必要はまったくありません。
✅ 生活に混ぜる九九あそび
- お風呂で1段——湯船に浸かりながら1段だけ。毎日の入浴が自動的に練習時間になる
- 車・歩きで出題ごっこ——親が「6×8!」と出題→子どもが即答。交代して子どもが出題者になると盛り上がる
- 九九カードゲーム——カルタのように並べて取り合う。負けて悔しいが継続の燃料になる
- おやつ分配ミッション——「4人に3個ずつなら全部でいくつ?」と実物で。かけ算の意味の復習にもなる
ポイントは、練習を「勉強の時間」ではなく「生活の一部」にしてしまうことです。
親が「さあ九九やるよ」と構えるほど、子どもは身構えます。
覚えにくい九九のピンポイント攻略
苦手リストに残った「最後の20個」には、個別の攻略法が効きます。
| つまずきポイント | 攻略のヒント |
|---|---|
| 7の段全般 | 音が言いにくい段の代表。「しちいちがしち」を「なないちがなな」と読み替えると通る子も多い |
| 6×7=42/7×6=42 | 「むしちしじゅうに・しちろくしじゅうに」をセットで暗唱。「答えが同じペア」と教えると負担半減 |
| 7×8=56/8×7=56 | 「しちはごじゅうろく」は九九最難関。紙に大きく書いて壁に貼る「見える化」が有効 |
| 8の段の後半 | 8×6、8×7、8×9をカード化して集中反復。9×8=72と8×9=72のペア技も使う |
| 4×7と4×8の混同 | 「ししちにじゅうはち」「しはさんじゅうに」を1日おきに交互練習して音を分離する |
かける数とかけられる数を入れ替えても答えは同じ——この「ペア技」を教えるだけで、覚える量は実質半分になります。
ペア技は3年生で学ぶかけ算のきまり(交換法則)の先取りにもなり、算数の見通しが良くなります。
「唱えられるのに問題が解けない」ときは
九九は言えるのに、文章題やプリントになると手が止まる——この場合はつまずきの場所が違います。
音としての九九と、「1皿3個のりんごが4皿」というかけ算の意味が、頭の中でつながっていない状態です。
🪜 意味とつなぎ直す手順
- おはじきやブロックで「3個のまとまりが4つ」を実際に並べる
- 並べたものを見ながら「3×4=12」と九九で言う
- 文章題を読んで「何のまとまりがいくつ分?」を先に言葉にしてから式を書く
遠回りに見えますが、ここを飛ばすと3年生のわり算・4年生の面積で必ずもう一度つまずきます。
どうしても覚えられないとき|見ておきたいこと
順番と仕組みを整えて2〜3ヶ月続けても、極端に定着しない場合は、別の要因も視野に入れます。
音の聞き分けや記憶の仕方に、その子なりの特性が関係していることもあるからです。
✅ チェックしたいポイント
- 音で覚えるのが苦手でも、九九表を「見て」覚えるのは進む(視覚優位タイプ)
- 書いて覚えるほうが定着する(運動記憶タイプ)
- リズムや歌に乗せると急に覚える(聴覚・音楽タイプ)
覚え方のチャンネルは子どもによって違います。
唱える一辺倒でダメなら、九九ポスター・書き取り・九九ソングと入口を変えてみてください。
それでも気になる場合は、担任の先生に学校での様子を聞き、必要に応じてスクールカウンセラーなどの専門家に相談すると安心です。
「怠けているから覚えない」と決めつけないことが、親子関係と学習意欲の両方を守ります。
九九の先にあるもの|3年生からの算数につながる
九九をここで固めておく最大の理由は、3年生以降の算数がすべて九九の上に建つからです。
| 学年 | 九九を使う単元 | 九九があいまいだと… |
|---|---|---|
| 3年生 | わり算・あまりのあるわり算 | 「42÷7」で九九を逆からたどれず手が止まる |
| 3〜4年生 | 2けた以上のかけ算の筆算 | 一つひとつの九九に時間がかかり計算ミスが激増する |
| 4年生以降 | 面積・倍の計算・概算 | 式は立つのに計算で失点し、算数嫌いが加速する |
裏を返せば、いま多少時間がかかっても、九九さえ固まれば3年生のスタートラインには十分間に合います。
「学校の検定に間に合うか」より「3年生までに仕上がるか」の時間軸で考えると、親の焦りはかなり和らぎます。
反復を「仕組み」にする|教材の力を借りる選択肢
ここまでの方法は、正直に言えば「親の根気」が要ります。
毎晩の付き合いが難しい共働き家庭や、親が教えるとケンカになる家庭では、反復を教材に任せるのも現実的な選択です。
| 方法 | 向いている家庭 | 注意点 |
|---|---|---|
| 紙のドリル・九九カード | 親が横につける時間を確保できる | 丸付けと声かけは親の担当。続かせる工夫が必要 |
| タブレット学習 | 毎日の反復を自動化したい・ゲーム感覚が合う子 | 反復問題を自動で出題・自動丸付け。視力や姿勢のケアは必要 |
| 九九アプリ・動画 | まず無料で試したい | 単発で飽きやすい。学校の進度との連動はない |
タブレット教材は、間違えた九九だけを繰り返し出題してくれるので、この記事で紹介した「狙い撃ち反復」を自動でやってくれるのが強みです。
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どの方法でも、子どもが嫌がらずに続くかどうかがすべてです。
「親が付き合える時間」と「子どもがゲーム的な仕組みに乗るタイプか」の2軸で選ぶと失敗が減ります。資料請求や無料体験で子どもの反応を見てから決めれば十分です。
父としてやってよかったこと
最後に、わが家で効いた関わりをひとつだけ紹介します。
それは、親も一緒に「九九検定」を受けることでした。
子どもに出題者になってもらい、私がわざと「7×8=54!」と間違えると、大笑いしながら「ぶっぶー!56!」と訂正してくれます。
人に教える・間違いを直す側に回ったとき、子どもの記憶はいちばん強く定着します。
「教わる側」から「教える側」への逆転は、自信を失っている子ほど効果があります。
お父さんが「参ったなあ、もう1回出して」と言うだけで、九九の時間が家族の遊びに変わります。
まとめ|九九は「順番」と「仕組み」で必ず登れる
✅ この記事のポイント
- 九九のつまずきは能力ではなくやり方の問題。覚えにくいのは81個中20個前後だけ
- 2・5の段で自信をつけ、壁の6・7・8の段は苦手リストの狙い撃ちで攻める
- 「唱える→隠す→バラバラ」の3ステップ。検定に落ちる子はバラバラ練習が不足しているだけ
- 叱る・比較する・長時間やるはNG。5分×毎日×楽しくが最短ルート
- 親の根気が続かないときは、反復を自動化してくれる教材に任せるのも立派な選択
九九は、子どもが人生で初めて出会う「本格的な暗記の山」です。
ここで「工夫すれば覚えられた」という経験をさせてあげられれば、それは九九そのものより大きな財産になります。
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